あの日、美保にキスされてから
また会いたいな…
めちゃくちゃタイプだったな…
面白いし若いのに
しっかりしてるし可愛かったな…
と唇の感触を確かめるように
幸福感で満たされている自分と
結婚してるのに他の女性とキスしてしまった…
バレたらやばいな…
妻がいるのに俺はなんで拒まなかったんだ…
と罪悪感に苛まれている自分がいた。
だが、色々なお店で飲み歩いていた自分が
気付けば美保と出会った
あのBAR にしか足を運ばなくなっていた。
「クズさんいらっしゃい! 今日も1人?
最近1人で良く来てくれるけど
美保ちゃんのこと狙ってるんじゃないのー?笑 」
「いやいや!何言ってるん!
俺、こう見えても結婚してるから!」
「確かにそうだけどさ…
なんか、最近入店あるたびに入り口気にしてるし…
美保ちゃんのこと気になってるんじゃないかなって思ってね。
まぁ、俺は既婚者でも
お客さん同士の恋愛とか何も口挟まないし狙ってるならいい感じに持っていくし
いつでも相談してよ!」
「いやいや、いつも通り楽しく飲ませてくれ!」
と流しながらその場をやり過ごした。
けど心の中で
「不倫の斡旋ってなんやねん!」
とツッコミを入れながらも
「言われてみれば無意識に
美保ちゃんのこと探してるよな俺…
美保ちゃん元気かな…」
と心の中で何かが弾けた気がした。
…………
何かが弾けた気がしただけで
それから1ヶ月、あのBAR に
美保は姿を現わすことはなかった。
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